将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

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フランス人将棋体験教室イベント

フランス人留学生に将棋を体験してもらう毎年恒例のワークショップ。今年で9年目を迎えました。
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7月と8月の土曜日に計3回行われ、私とカロリーナ女流で全3回に参加しました。

カロリーナ女流は、正式に女流棋士になって初の参加でした。それもあってか、今日の最終回には将棋世界誌の取材が入りました。10月号に掲載予定とのことです。

そのカロリーナ女流には講義の担当をお願いしました。

 

 

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カロリーナ女流が将棋の起源を説明しているところです。

言葉は、話もスライドも全て英語で行います(参加者の共通言語は英語)。

 


このイベントは将棋を媒介に日仏学生交流の一貫として行われています。

最近は中心メンバーが東大の学生になりつつあります。他校からの参加や世界に将棋を広める会の方など、幅広いボランティアスタッフに支えられています。

 

 

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司会進行は東大将棋部の方が担当。写真には映っていませんが、フランス語への通訳も学生の方が担当されています。 

 

カロリーナ女流は英語での講義が非常に得意で、将棋をゲームと文化の両面からフランス人に伝えていました。

なるほど、と思わされたのが駒の覚え方。外国人には漢字表記がやっかいですが。

 

 

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「龍王」 と「龍馬」を「DRAGON KING」と「DRAGON HORSE」と表し、赤字でHORSE(馬)の感じを出して2つを区別しています。

うまいなぁ、と思いながら聞いていました(英語なので半分くらいしか聞き取れませんが(苦笑))。

 

 

 

 

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フランス人はチェスの素養があり、将棋のルールもすぐに把握できます。

「持ち駒」はチェスに無い概念で、取った駒を使うことを忘れがちなので、教える時はそこがポイントになります。

 

今日はいつも応援いただいている日仏財団の事務局長も見学にいらしていましたが、カロリーナ女流の教え方の上手さに感心されていました。

海外普及におけるカロリーナ女流の価値を感じた出来事でした。

 

 

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ただ将棋を指すだけではなく、挨拶や正座も講義のポイント。そうしたことで日本文化の良さを伝えます。

 

 

今年も盛況のうちに終わりました。運営側の体制も年々良くなっており、カロリーナ女流という素晴らしい講師もいるので、今後に期待ができるイベントです。

私はプロデュースがメインになりつつありますが、イベントでフランス人や日本人の学生さんと交流するのは楽しいです。来年以降も続けられるようにしたいものです。

 

 

それではまた