棋聖戦第2局は、豊島将之八段が有利に進めていましたが、一瞬のスキを突いて羽生棋聖の鮮やかな攻めが決まりました。
急所をついた羽生棋聖の▲4三桂
ポイントとなったのは図の▲4三桂
飛角桂の3枚による攻めですが、この桂打ちで攻めが決まりました。
桂を取ってなんでもないようですが、△同金直と4ニの金で取ると4一の銀がタダで取られます。
よって△同金左と3ニの金で取りますが、そこで▲4一飛成が好手段。
あえて飛車を捨てることで、△4一同金に▲4三角成が成立します。
ここで△3二銀には▲3三銀がピッタリで、△同銀は▲2一金、△4三銀は▲2二金でいずれも詰みとなります。
また△3二金の受けにも▲3三銀がピッタリで、△4三金は▲3二金で詰み。△3三同金は▲同馬で受けが難しい格好です。
珍しい手筋で、お手本となるような攻め筋
あまり見かけない手段なだけに、豊島八段も軽視したのでしょう。
▲4三桂の次の手に残り27分から20分を費やしたことでも、それが伺えます。
現地控室や大盤解説会でも、同様だったようです。
確かに全く受けがありません。私も驚きました。
自分自身の記憶に残す意味もあって、ブログに記しました。
以前の記事にも書きましたが、私達もお手本が欲しいのです。
教科書に載りそうな、そんな▲4三桂でした。
棋聖戦は羽生棋聖が勝って1勝1敗に
実戦は▲4三桂にやむを得ず△2二玉と逃げましたが、▲4一角成で後手陣が崩壊しました。
以下も羽生棋聖は教科書に載りそうな基本に忠実な攻めを見せて、制勝しました。
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棋聖戦はこれで1勝1敗に。第3局は6月30日(土)に行われます。
羽生棋聖は来週名人戦第6局を控えており、大勝負が続きます。
それではまた