将棋ウォーズで初段を目指す上級者(1~3級くらい)には、右四間飛車戦法をおススメしています!
その理由は3つあります。
理由1.攻撃力半端ない!
一番最初に覚える戦法は棒銀だと思います。棒銀は飛車+銀の2枚の攻めです。
右四間飛車戦法(以下、右四間と略)は4枚で攻めます。
矢印で示したとおり、4枚の駒で集中攻撃しています。
右四間は、将棋の戦法の中でも群を抜いて攻撃力が高いです。
プロでもよく登場する、いつまでも使える戦法なのです。
理由2.本筋の攻めを覚えられる!
右四間を覚えることで、有段者になるための攻め筋をマスターできます!
基本となる攻めを紹介します。
右四間の攻撃態勢が整いました。囲いは美濃がおススメです。
「攻めは飛車角銀桂」「守りは金銀3枚」という格言通りの陣形です。
ここから攻撃を開始します。
▲2五桂△2四銀▲4五歩
これで矢倉はつぶれています。
右四間の攻撃陣が1点集中しているのがおわかりでしょうか。
攻めの基本「みんなで同じ地点を攻める」を実践するのが右四間です。
第3図から進めてみましょう。
△1二玉▲4四歩△5三金▲4三歩成△同金寄▲同飛成△同金▲2二金
▲4五歩を取ると角筋で玉をとられてしまいます。△1二玉はそれを避けた手ですが、一気呵成の攻めで見事に後手玉を詰ましました。
ここだけの話、右四間にとって矢倉囲いはカモです。
ちょっとしたコツとして、「2筋は▲2六歩まで」と覚えておいてください。
第2図からの▲2五桂に△2四銀と逃げずに抵抗してきた時の攻め方を見てみましょう。
▲2五桂△5三角▲4五歩△同歩▲同銀△4四歩▲3三桂成△同桂▲4四銀
▲4五歩から銀を使うのが急所です。
第5図は駒得の上、後手陣を食い破っているのがおわかりでしょう。
ちなみに▲2五桂の局面を現在の最強ソフトorqhaに検討させたところ、+2000!
将棋が終わっていると言ってもいい評価値です。
理由3.居飛車にも振り飛車にも使える!
これもアマチュアの方には大きいです。
矢倉や角換わりなどを一生懸命勉強しても、相手が振り飛車できたら勉強が役立ちません。
しかし右四間なら、相手が角道を止めてくれればこっちのもの!
振り飛車で来ても問題ありません。
(将棋世界1月号、長谷部四段の講座より)
居飛車にも振り飛車にも使えるというのは、見た目以上に大きいです。
コツをつかみやすいので、必然的に棋力向上の効率が良くなります。
なぜ上級者向きなのか?
ではなぜ右四間は上級者向きなのか。
- 慣れるまでは駒組みが難しい
- 相手の守りを外す攻め(▲2五桂など)が必要で、難易度が高い
- 相手が角道を止めないときの戦法も覚える必要がある
特に3つ目が問題です。どんな戦法でも万能ではありません。
そこで右四間に加えて角換わりも一緒に覚える必要があります。
例えば下図。
相手が角道を止めてくれないので、右四間に出来ません。
横歩取りになりそうですが、ここで▲2二角成△同銀▲8八銀とすれば角換わりに持ち込めます。
右四間を軸にする場合、角換わりと併用することで居飛車全般をフォローできます。この辺りのことは、またいずれ書こうと思います。
2つ覚えるのは大変ですが、2つとも将棋の基本攻め筋を覚えられる戦法なので、取り入れることで初段がグッと近づきます。それが上級者におススメする理由です。
右四間を学ぶには?
ここで書いたようなことを網羅した上級者向けの右四間の棋書は無いようです。
有段者向け、もしくは対四間飛車に特化したものが多いです。
Web上で読むなら、将棋連盟のコラムに矢倉崩しの右四間特集がありました!
また将棋世界1月号(最新号)が右四間特集です!付録も右四間です。
将来的にはYouTubeチャンネル『遠山プロの将棋塾』でも解説動画をあげる予定です。
将棋ウォーズで初段を目指す方は、ぜひ一度右四間を指してみてください!
それではまた