前回の記事で対局のことを書いたので、続きを。
人より優れている所はどこなのか。どんな人にだって一つくらいはそういう所があるはずです。所謂、長所というもの。
私自身プロの中でどこが長所なのか、ずっと分からずにいました。当然ながら周りは皆将棋が強く、でもその中で勝ったり負けたり出来ているのですから長所があるはず。コーチのいない将棋界では自分で発見するよりありません。
最近になってようやくこれかなというものが見つかりました。それが表題の「勝つことを諦めない力」が強いことです。
奨励会やその前は、序盤(というか将棋)を何も知らなくて、終盤の粘りが持ち味でした。三段リーグに入ってからそれだけでは勝てなくなり、ようやく序盤を勉強するようになりました。
なんとか四段になり、プロレベルでは序盤は下のほうであり、相変わらず粘りが持ち味でやってきました。
その辺までは対局中に「勝つことを諦めない力」を発揮していたと言えます。
プロになってから年数が経って手の内が知られたことや、プロ全体の技術向上もあり、粘りだけでは苦しくなり、自己改革を始めました。これが昨年頭のこと。
戦型や棋風を変えれば苦しむことは承知していました。それでも挫けずに続けられるかを自分の中で咀嚼し、「勝つことを諦めない力」という長所を活かせば大丈夫だと考えました。
なかなか結果は出ていませんが、勝つことを諦めたことは今のところありません。色々と自分なりの勉強に取り組む日々です。取り組みにも種類があって、時によって強弱を変えています。しばらくは研究に没頭するとか、COMとの練習対局を増やすとか。
一時は詰将棋に集中していて、特に若島正さんの「盤上のファンタジア」を解いていました。その時期に集中的に解いたまましばらく前に進んでいなかったので、今月は詰将棋の時間を多くしてこの作品集をコンプリートすることを目標にします。
本当に名作揃いで、解けて感動した問題が多くあります。
詰将棋を解く時の思考については書きたいことがあるので、時間があるときに別エントリーを立てる予定です。
「勝つことを諦めない力」はモバイル編集長兼プロデューサーとして運営に携わる中でより磨かれたと感じています。 モバイル事業は案外根気が必要で、最初はともかく成熟してくると会員増のための方策が見えづらくなります。
成果が出なくて辛い時もありますが、会員増を諦めずにあらゆる施策を打ち、ファンの方のおかげもあり、引き続き会員数は伸びています。
そういう経験を重ねることで「勝つことを諦めない力」が磨かれてきたのだと思います。
今夜は上記の本を解いて寝ようと思います。以前解けなかった難問に取り組みます。
それではまた