将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

遠山プロの対局やお知らせ、将棋界について

2023年度を振り返る

将棋界は4月~翌3月で区切りとなるため、今日が年度最終日です。
2023年度の対局について振り返ります。

2023年度

15勝16敗(未放映のTV対局除く)でした。
年度前半は、5連勝・4連勝と白星を伸ばして、棋王戦では予選を突破するなど好調でした。

しかし、9月の順位戦で藤本四段(当時)に逆転負けを喫したところから暗転。そこから連敗が始まりズルズルと黒星を増やしてしまいました。

負け始めると止まらないのが今年度の反省点ですが、先日先輩棋士に
「年齢を重ねると連敗が止まらなくなるから、なんとしても1つ勝つのが大切」
と伺い、キャリアを重ねると同じ悩みを持つことを知りました。

順位戦では、初戦の佐藤慎五段戦、9回戦の高田四段(当時)戦で逆転負けを喫し、昇級戦線に絡んだメンバーに総じて逆転負けを喫しました。それが響いて8期ぶりに負け越しとなりました。

よくこの成績で終えられたな、というのが正直な感想ですが、早指しの成績が向上したことがなんとか五分に近い成績で終えられた要因です。
前年度からの改善点で、これは研究会を増やしている好影響でしょう。
もし早指しの成績が前年度のままだったら、と想像すると恐ろしいです。
なんとか堪えた、そんな一年でした。

研究会では主に棋士・奨励会の弟弟子と指しています。
皆、熱心で実力もあると思いますが、簡単には上に行けず競争の厳しさを感じています。
その中で、高橋三段が3月の三段リーグで四段昇段を決めたのは嬉しい出来事でした。
私も弟弟子たちの頑張りに負けないよう精進していきます。

 

2024年度に向けて

・得意を磨く
・年度17勝

まずは将棋の内容について。
現代将棋では、得意な形を持つことが再び重要になっているとみています。
2023年度はそれを意識して、角換わりをたくさん指しました。2024年度も角換わりを続けるかわかりませんが、自分の得意となる形を持って磨いていくことを目標としていきます。

ここ5年の平均勝数は14.4勝なので、17勝は現実的な目標といえます。
順位戦で勝ち越し、他の棋戦で2つくらい上位に進出すると達成可能な数字です。
しかし言うは易しで、実際には非常に大変な数字でもあります。
心体を整えて対局に向かうことも重要なので、年齢的なことも踏まえて調整方法も微調整を繰り返しています。

 

年齢を重ねるにつれて、家族の支え、皆様の応援がより力になると実感しています。
2024年度も応援のほど、よろしくお願いいたします。

 

それではまた