この問いは、先日(9月30日)ニコ生に出演した際にメールで質問いただいたものです。
その時に解説した指し方がユーザに好評だったので、エントリにしました。
初級者(将棋ウォーズで7級以下の方)向けに解説します。
三間飛車で迎え撃つ!
まず最初に、棒銀は優秀な作戦です。心して受ける必要があります。
結論から言うと、棒銀には三間飛車が有効です。
(飛車が3筋にくると三間飛車です。先手だと7筋にくると三間飛車になります)
図は昔のNHK杯戦より。
加藤一二三九段の棒銀に、谷川浩司九段が三間飛車で迎え撃っています。
プロも好む棒銀対策ということがわかります。
それでは手順を追っていきます。
三間飛車が後手で解説します。
後手で受けられるということは、先手なら余裕を持って受けられるということです。
最初のポイントは、2筋を交換させないこと。
初手より、▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角
後手ではこの2手をまず頭に入れましょう。
「▲2五歩△3三角」
これが大切です。
第1図より▲3八銀△3二飛▲2七銀△4二銀▲2六銀
棒銀が迫ってきました。しかし次に行く道がないのがおわかりでしょうか?
3三の角が1五に、3四の歩が3五にきいています。2五は先手の歩が邪魔しています。
第2図より△6二玉▲1六歩△1四歩
棒銀を五段目に出させないことがポイントです。
△1四歩を怠ると▲1五銀と進出されます。
第3図より▲3六歩△4四歩▲3五歩△4三銀
引き続き棒銀を五段目に出させないことがポイントです。
▲3五歩を△同歩と取ると、▲同銀で銀が五段目にきてしまいます。
「▲3五歩△4三銀」
が大切です。
そのために△4四歩を忘れないようにしましょう。
第4図までくればもう棒銀は怖くありません。
ここまでの手順をしっかり頭に入れてください!
ポイントは
- △3三角で2筋を交換させない
- 棒銀を五段目に出させない
この2つです。
これでもう棒銀は怖くありません!
本手順では出て来ませんでしたが、補足として
「▲7六歩に△4四歩」
も覚えておきましょう。
三間飛車では角がぶつかったら角道を止めましょう。
何故三間飛車がいいのか?
振り飛車は色々あるのに、なぜ三間飛車がいいのか。
それは、より高度な攻めに対応するためです。
第4図から▲3四歩△同銀▲3八飛と攻めてきたときに
△2二角と引いて3二の飛車で銀取りを受けられます。
もし飛車が3二にいなければこの攻めを受けられません。
四間飛車で4二に飛車がいると、▲3八飛で困ります。
(△3五歩や△4三銀と銀取りを受けても、▲3五銀で棒銀が五段目に進出してしまいます)
そのための三間飛車でした。
なお▲3八飛には△4二角と引く手でも大丈夫です。
「▲3八飛に角をどかす」
こう覚えておくと、応用がききます!
三間飛車は中級者にオススメ!
三間飛車は棒銀への対抗のみならず、
- 居飛車急戦
- 居飛車穴熊
- 相振り飛車
すべての作戦に対応しやすい、優れた戦法です。
個人的には中級者(将棋ウォーズで3~6級の方)にオススメの戦法です。
YouTubeチャンネル『遠山プロの将棋塾』でも、今後中級者用の動画で取り上げる予定です。
棒銀に困っている方は、ぜひ三間飛車をお試しください!
それではまた