前回の記事 棋士の考える「将棋入門」 - 将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース
未体験から初めて将棋を学ぶ「入門」段階では、将棋にかけた時間が上達に直結します。
初めて将棋を学ぶ子供たちの中では
- 教室で将棋を指す
- 将棋の本を読む(私はこのタイプ)
- スマホアプリで将棋を指す
- 家で家族と指す(藤井聡太四段はこのタイプで、祖母とスタディ将棋を指していたそうです)
様々なタイプがありますが、総じてかけた時間に応じて上達していました。
「入門」卒業に要する時間は、個人差もありますが、最大でも通算で10時間かければいいと思います。
ただこれもある程度短期間に時間をかけるのが大切です。
(具体的な時間のかけ方はまた回を改めて書く予定です)
また「入門」段階では、将棋にまつわることであれば何をやっても上達のスピードに大きな変化は出ません。
大切なのは、無理なく将棋に触れる時間を増やすことです。
将棋教室が楽しい、本を読むのが楽しい、アプリで指すのが楽しい、家族と指すのが楽しい。
そうして将棋を楽しむ時間を増やすことが大切です。
では楽しいとはどういうことか。それは達成感だと思います。
- 勝つ
- 問題を解く
- 褒められる
こういったことが達成感につながります。
「入門」段階で大切なこととは、
達成感を得て将棋を楽しむ時間を短期間に増やすこと
これが結論です。
よくある失敗として、
将棋のルールを覚えた→いきなり平手を指す→ボコボコに負ける→嫌になる
というのがあります。
レベルに合わない勉強もいけません。
「入門」段階で5手詰を考えても解けるわけがなく、苦痛でしかありません。
失敗例をまとめると
- いきなり強い人に負け続ける(しかもボコボコに)
- 難しいものを先に学ぼうとする
達成感を得るのとは反対の方向性です。
将棋に没頭するためには、「問題のレベル」と「棋力」がちょうど拮抗していることが必要になります。
これから将棋「入門」へ、という方には気をつけてほしいところです。
いまは将棋の教室も増加傾向で、将棋入門の本もいいものが増えています。
どうぶつしょうぎや9マス将棋も「入門」段階ではとてもいいです。
そんな中で私は、スマホの将棋アプリを用いる指導法を取り入れ、子供教室にタブレットを持ち込んで子供たちにやらせています。
次回は「入門」段階で私が有用だと思うアプリについて取り上げる予定です。
それではまた
次の記事