将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

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Yahoo!ニュースに投稿しました「なぜ豊島名人や藤井七段は角換わりをエースとしているのか?そして角換わりの現状は?」

Yahoo!ニュースに、角換わりの現状について書きました!

 

news.yahoo.co.jp

 

現代の角換わり

角換わりはここ数年で大きな変化を遂げました。

飛車を一段目に引き、金を二段目に配置するようになったのはここ3年ほどのことです。いまや飛車を引かない角換わりのほうが珍しく感じます。

この構えが優秀とみられるや一気に研究が進んで定跡が整備され、上記記事のように一つのテーマ図が出来上がりました。

 

長い間指されるテーマ図は互角に近いことがほとんどです。

なぜならどちらかがリードしていると結論が出ると、不利な方を持って指す人がいなくなるからです。

昔と違って人間だけではなく将棋AIの判断も加わるので、形勢判断はより正確になっています。

互角のテーマ図ができれば、互いに避ける必要がないため指され続けるのです。

 

角換わりは終盤勝負に

そのテーマ図でどう指せばいいのか。情報の早い現代ではその選択肢を知ることは難しくありません。

互いに研究していれば最善を尽くしやすく、互角のまま局面が推移します。

そして互角のまま終盤戦になだれ込みます。互角の終盤戦は複雑怪奇なことが多く、局面の難易度が上がります。そうなると実戦的な勝ちやすさが大切になるのです。

 

しかし先手に多少の勝ちやすさがあっても、結局は終盤の実力が勝負をわけるポイントになります。

角換わりは研究で勝負が決まると思われがちで、実際そういう側面もありますが、最近は終盤勝負の様相が色濃くなっていると私は考えています。

底力が試される、そういう戦法でもあるのです。

 

この辺りのことは、また改めて記事にまとめようと思います。

 

 

それではまた