将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

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高橋九段戦

振り駒で先手になり、横歩取りへ。

中盤はかなり苦しい形勢でしたが、食らいついて逆転。

しかし難解な終盤戦で二転三転。最後は際どい戦いに。

 

不詰み

最終盤。▲8四竜と王手したところです。

 

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(青字が実戦の手、先手▲が私です。圭=成桂)

 

△8三歩には▲7四桂でピッタリの詰み。

△8三金なら詰みませんが、▲7四桂△9二玉▲8一銀△9一玉▲8三竜と金を取ってしまえば、こちらに詰みはなく勝ちです。

 

1分将棋の中、勝ち筋に入ったかと思いましたが、△7一玉がうまい逃げ方。そして▲7二歩の追撃に△6一玉が詰みを逃れる唯一の逃げ場所でした。

(△6二玉には▲7四桂△5二玉▲4三銀打△4一玉▲8一竜以下、相手の2二銀が邪魔駒で詰む)

どれもこれも際どいものの、どうしても後手玉が捕まりません。

 

実戦はやむを得ず詰めろをかけて開き直るも、うまく網を絞られて寄せ切られてしまいました。

 

本譜は詰みと思って追いかけましたが、王手をかけすぎず開き直るべきでした。

まさに王手は追う手。残念な敗戦でした。

 

年内終了

これで2019年の対局は終了となりました。

勝てば来週に予選決勝が組まれていただけに、残念な終わり方です。

 

今年は波に乗れないまま終わり、ちょうど5割でした。

こういう負け方も多く、よく負け越さなかったな、というのが正直な気持ちです。

残念ですが、これがいまの実力でしょう。

 

来週の対局がなくなった分、少し時間ができました。

ずっと忙しかったので、心と体を休め、技を磨いて来年へつなげていきます。

 

 

それではまた