将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

遠山プロの対局やお知らせ、将棋界について

Yahoo!ニュースに投稿しました「46歳で悲願の初タイトル獲得。木村新王位が将棋のプロとして大切にしてきたもの」

Yahoo!ニュースに、木村新王位について書きました!

 

news.yahoo.co.jp

 

 

最終局について

改めて行われた振り駒で先手となった豊島名人は、エース戦法である角換わり戦法を投入しました。
角換わりは、下記の記事に書いたように、現状では後手も十分に互角に戦える状況です。

 

news.yahoo.co.jp

 

これは後手になった木村王位にとって、幸運な事実でした。

豊島名人は先手になり自分の得意戦法に持ち込んだものの、リードを奪うのに苦労しました。

 

この対局を調べてみると、豊島名人の研究範囲内では少しだけ先手に評価値が振れていたようです。

しかしやや無理をしてリードを奪いにいったために豊島玉が不安定で、実戦的にミスが出やすく勝ちにくい格好だったと思います。

 

無理をさせて厳しい受けでリードを奪うのは木村王位が得意とするところ。

木村王位にとっては形勢や時間差はともかく、悪くない展開だったでしょう。

結果的には完勝といえる内容でした。

 

豊島名人としても、自分の研究通りに進んであとは技をかけられるかどうか、という思い通りの展開だったでしょう。

そこで技をかけきれなかったのであれば仕方ない、という感じではないでしょうか。

 

戦いは続く

木村王位のタイトル数について記事で言及しましたが、挑戦に近い棋戦は多くありません。

近いところでは叡王戦で本戦に進出できるかどうか、注目されます。

 

豊島名人は来月から竜王戦七番勝負に登場します。

こちらのシリーズも非常に楽しみです。

 

一つの戦いが幕を閉じ、物語は終わりました。

でもまたすぐに次の物語は始まります。

そうして物語を追いかけていくのが、将棋観戦の面白いところだと思います。

 

 

それではまた