将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

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佐藤(慎)五段戦

振り駒で後手になり、相掛かりへ。

3月に佐藤(慎)五段と対戦した時と同じ戦型になりました。

 

玉の早逃げ

 

図は終盤戦。▲4四金と迫られたところ。

なんとか手を稼いで△4六歩などの反撃がまわれば勝ちが見えるところ。

 

ただ現状は▲5三桂成△3一玉▲5二飛成で必至がかかるので受けが必要です。

とはいえ△5四歩では▲5三桂成で受けになりません。

 

 

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(青字が実戦の手、後手△が私です)

 

そこで△3二玉▲5三桂成△3三銀と1~2筋方面へ逃走をはかりました。

1筋が開いているうえに3六に竜がいるので、そちらへ逃げ込めればつかまりにくい格好になります。

「玉の早逃げ8手の得」という格言通りの手順です。

 

実戦は△3三銀▲4三成桂△2二玉▲3三成桂△同桂▲3四歩と迫ってきましたが、△1三玉と狙い通り1筋へ逃げ込み、手が稼げたところで反撃に出て制勝しました。

積極性が功を奏す

前局は優位を築いたところで積極性を欠いて逆転されてしまいました。

その反省を生かし、本局は積極的すぎるくらいの気持ちで常に最も前向きな手を選び続け、その積極性が功を奏していい内容で勝つことができました。

 

今期は苦しい戦いが続きますが、いい内容の将棋が指せたことで少し自信を取り戻せました。一つキッカケとしたいものです。

 

 

それではまた