今回ご紹介する本は、初段を目指す方必読の一冊です!
献本いただき、拝読しました。
高野秀行六段は、主宰する子供教室が大人気で、指導の上手な棋士です。
将棋教室がブームの兆し 「負けることで心が強くなる」 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
期待通りの面白さで、一気に読みきりました。
級位者に優しい!
「はじめに」で重要なことが書いてありました。
書店に並んでいる本は、初心者向けに駒の並び方から解説しているものか、プロの棋士が有段者に向けて解説したものがほとんど。
そうなんです!級位者向けの本は少ないのです。
でもこの本は、
今まで身の丈に合った本がなかったに違いない級位者のみなさんにとって「これならわかる」を目指したものです。
級位者に優しい本なのです。
例えば、級位者が覚えるべき10の格言というのがあり、その中でも
- 自陣は「攻め」と「守り」に分けよ
- 「王手」より「詰めろ」
- 常に「と金」を考えよ
この3つは特に心に残りました。「攻め」と「守り」を分けるのは初段を目指すには欠かせない要素で、いつも指導に取り入れています。
他にも詰みや手筋や囲いについて、級位者のレベルに合わせて書かれています。
また高野六段が級位者の疑問に答える形で勉強法を伝授している章は、旧来の指導とはちょっと違う斬新な内容が多くて、私も勉強になりました。
棋譜並べ
常々疑問を感じ、高野六段の見解を興味深く読んだのは棋譜並べについて。
棋譜並べは古来より伝わる勉強法ですが、私は級位者には有効ではないと考えていました。
高野六段も似た見解で、
級位者の方は、「将棋を学ぶ」ためではなく「将棋を楽しむ」ために、やってもらえたらいいなと思っています。
やっぱりそうなのか!と膝を打ちました。
盤駒を使って棋譜を並べるのは、符号を追うので一苦労でしょうし、プロ同士の棋譜は難易度が高いので内容も理解しづらいです。
モバイル中継など手軽な形で、将棋を楽しむために棋譜並べをするのが良さそうです。
棋譜並べという勉強法は、級位者向けの違った形が必要でしょう。考えている勉強法があるので、近いうちに形に出来ればと思っています。
どんな趣味でも有段の資格を得ることは非常に大変です。
私はテニス好きで20年近くプレイしていますが、いまだに初段の腕前とは言えません。初段に到達する大変さはよく分かります。
この本を読んで、将棋初段に一歩でも近づいていただければ嬉しいです。
それではまた