将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

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佐々木(大)四段戦

振り駒で後手になり、相掛かりへ。

 

AlphaZero流

図は▲3七桂と積極的な駒組みをされたところ。

 

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(青字が実戦の手、後手△が私です)

△3六飛と横歩が取れますが、▲8二歩を含みに▲7六歩と突かれて立ち遅れそうです。

この駒組みはAlphaZeroの棋譜にあり、有力と認識していましたが、対策にまで手がまわっていませんでした。

 

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▲AlphaZero-△elmo No.23

第2図は△6二玉と△9四歩が代わっているだけです。この棋譜は羽生九段が選ぶ10選に入っています。AlphaZeroが見事な指しまわしを見せた一局でした。

 

実戦は第1図から△4二玉▲7六歩と再び歩を差し出され、数手後にこの歩を取ったところで技をかけられて劣勢に。

以下は粘るも及びませんでした。

 

教訓となった一局

佐々木四段がどの程度AlphaZeroの棋譜を参考にしたかはわかりません。

先日、公式戦でも現れた局面でもあります。

ただ将棋AIの考えを参考に新しい発想を生み出すのは、私自身が得意としていること。それを逆にやられてしまいました。

いまは、考え方を固定化せずにアップデートを繰り返さないと時代についていけない、というのは将棋に限ったことではないでしょう。

来年に向けて、教訓となった一局でした。

 

一年の振り返りは、また明日以降に。

 

 

それではまた