竜王戦5組決勝、▲石田直裕五段ー△藤井聡太七段
見応えのある熱戦でした!
見るからにすごい手
そこで生まれた△7七同飛成!!
(色付きは実戦の指し手)
将棋では「見るからにすごい手」というのはなかなかありません。
これはまさにそういう類の手。
最善手であり、決め手でもあるところに、またすごさがあります。
角換わりは「駒の損得より速度」が生まれやすい特徴があります。
駒を捨ててスピードアップして敵玉に迫ることはよくあります。
それでも△7七同飛成ほどの手はなかなか出てこないものです。
この手を指すために組み立ててきた構想力が藤井聡太七段の実力であり。
そして注目される舞台で現れるところに藤井聡太七段の運を感じます。
△7七同飛成は、竜王戦決勝Tを勝ち進めばそのキッカケとなった一着として伝説となるでしょう。
「羽生の▲5二銀」と同じ匂いのする手でした。
ソフトはどこで気づくのか?
さて私自身がいつこの手に気がついたか。
モバイル中継で観戦していたところ、数手前のコメントに書かれていたことで、考える間もなく知ってしまいました。
では将棋ソフトはどうか。
ソフトは5月のコンピュータ将棋選手権で3位に入ったApery。
5秒くらいで発見しました。
(私の自宅にあるPCで測定。電王戦で使われたくらいの性能)
ただ△7七同飛成より、80手目の△7八歩のほうがソフトは発見しにくいようです。
ここは藤井聡太七段が腰を落として考えた局面で、ソフトでも判断に悩む場面。
△7七同飛成の興奮ですぐに指しそうなところでキッチリ時間を使い、正着を導き出すところに、実力の一端を垣間見ます。
注目局はモバイル中継でご観戦を!
竜王戦決勝Tは、面白い戦いが見られそうです。
ぜひモバイル中継でお楽しみください!
今日6月6日は、棋聖戦五番勝負第1局
羽生善治棋聖ー豊島将之八段戦が対局中です。
藤井聡太七段が竜王戦決勝Tで勝ち進むと全集もますます売れそうです。
それではまた
【追記】6月8日に続編を書きました。
【追記2】さらに続編を6月11日に書きました。