将棋棋士 遠山雄亮のファニースペース

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梶浦四段戦、船江五段戦

午前中は梶浦四段戦。振り駒で後手になり、相掛かりへ。YAMADA杯では前局も相掛かりでした。

序盤での攻勢を凌いでからは、手厚い玉形を頼りにいい指し回しが出来ました。

最後は緩手を指して追い込まれるも勝ち。これでベスト8に。

 

午後、準々決勝は船江五段との対戦となりました。船江五段との対戦は4年前に一度あり、192手の死闘でした。

船江四段戦: 遠山雄亮のファニースペース

朝日新聞デジタル:逆転また逆転 未明の決着 将棋順位戦C級2組 - 将棋

 

その時は191手目に敗着を指したのですが、今回は161手目に敗着を指しました。

振り駒で先手▲になり、横歩取りへ。

リードを守りきれず、相手も決めきれず、くんずほぐれつしつつ負けそうになりながら迎えた160手目△7八銀成の局面。

 

 

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ここでビッグチャンスが来ていました。実戦は詰めろ逃れの詰めろで▲4四桂と打ちましたが、△同角▲同金に△6九銀で必至となり負け。

 

正着は▲7七角!でした。枚数が足りていないのですが、△同成銀▲同銀△同角成▲同金△同竜と進むと

 

 

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竜の利きもあって、バラック小屋のような先手陣が詰みません。よって▲4四桂くらいで詰めろをかけて勝ちに。

 

後手も▲7七角に△5八竜!が際どい手。▲1一角成で角がタダですが△4九銀で先手玉は受けが難しい格好です。

 

 

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しかしここから▲6二金△4一玉▲5二角△3一玉に▲7九桂!と打つと

  

 

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一時凌ぎのようですが、△6九竜には▲4九竜がドンピシャの詰めろ逃れの詰めろに。▲7九桂に有効な詰めろもなく、ハッキリ勝ち。

 

よって▲7七角と打てば勝ちだったようです。後手が「△7八銀不成」とくれば▲7七角の予定だったのですが、成りでも打てば勝ちとは。

 

せっかく勝ちが転がっていたのにつかめなかったのは非常に残念です。

でもそれもまた実力。次のチャンスをつかめるよう、明日からまた勉強です。

 

 

バイル中継のコメントだけでは伝えきれないかと思い、じっくり解説しました。

棋譜モバイル中継でご覧ください。

 

 

それではまた